徳島ガラススタジオのガラス炉を組む

ゴールデンウィークもすっかり過ぎ去って、あっという間に5月も半ば。
山あいでは、早くもセミが鳴き始めている始末。
今年の夏は、例年以上に暑くなるような予感のする今日この頃ですね~。

徳島ガラススタジオも本格的なガラスシーズンを迎えて、
これからがさらに忙しくなる季節です。

さてさて、その本格的ガラスシーズンをスムーズに乗り越えるため、
先日、うちのスタジオの心臓とも言えるガラス溶解炉の坩堝の交換を
することになりました。

今回は皆さんに、その様子をちょっとだけご紹介したいと思います・・・

さて、先月、今年のお正月明けより運転していた溶解炉を停止しまして
まずは炉の内装などを補修しておいたのですが、先週の火曜日に、
スタッフ総動員で(と言っても3人なんですが)坩堝交換にかかること
になったわけです。

ちなみにこの作業、うちでは、“築炉”と言っておりますが、炉体の全部
を築くというわけではありません。
溶解炉 坩堝のない状態
これが徳島の溶解炉。
なかなか融通のきかないヤツだけど、良い仕事をしてくれるにくいヤツ。

奥の穴はバーナー口で、手前の二つの穴は煙道口と呼ばれるもの。
この煙道口の上に、2本の坩堝がくる仕組み。
徳島専用の150ポンド猫堝
これがその坩堝(るつぼ)。
ガラス業界の方は御存知と思いますが、一般に“猫堝”(ねこつぼ)
と呼ばれるもの。
名前の由来は、何でも、猫が座っている時の横からのシルエットに
似ているからだとか・・・

でも前から思っていたのですが、その風格といい、後ろからの姿といい
どう見ても“豚堝”(ぶたつぼ)の方がぴったりくるのですが・・・

さて、この猫堝を2本、所定の位置に配置します。
坩堝が入った状態
この猫堝、かわいい名前のくせに、なかなかどうしてかなりの重量で、
良い位置に置くのも一苦労!

ようやく坩堝の位置が決まったら、次にいよいよ炉を塞ぎにかかります。
うちのスタッフ 尾藤くん
耐火煉瓦を使って、一つ一つ丁寧に積み上げていきます。

もちろん、ただ単に積んでいけばいいというわけにはいきません。

もっとも大事なのは、炉に点火した後の炎の流れを考えて煉瓦を積むこと。
それを失敗すると、温度が上がらなくてガラスが溶けない、なんてことも。

とにかく、重要なポイントの一つです。

ちなみに、この耐火煉瓦、何度でも使えるので坩堝交換のときには、
できるだけ丁寧にはずして次に再生しています。
今回の築炉も、ほとんどの煉瓦は前回から使っている耐火煉瓦。

煉瓦は、場所によってはサイズに合わせて切ったりしながら、
耐火モルタルで固定していきます。
坩堝の口周りに合わせて切った煉瓦を使う
大体ここまでの作業で、3時間くらい。
いったんお昼休みです。

午後 大まかに塞ぎ終わったところ
さあ、午後から続きの作業。

おおむね1時間ほどで、ほとんど煉瓦で塞ぎ終わりました。

さて、次にこの煉瓦の上から断熱効果のある“ファイバーキャスト”いう
モノを貼りつけていきます。

この ファイバーキャスト、ちょうど紙粘土のような感じのもので、
断熱効果にすぐれ、どんな場所にも使いやすくて、しかも軽いという優れもの。
炉の表面の断熱材として使う以外にも、再加熱炉の内装や、フタの補修など
様々なときにお世話になるガラス屋の必需品です。
ファイバーキャストを貼るスタッフの葛西くん
坩堝周りや煉瓦が薄くて熱が発散しやすいところをファイバーキャスト
で覆ったら、これで築炉の一連の作業は終了です。
ファイバーキャストで覆った状態
真ん中の穴は、点火時の炎の様子を見る覗き穴。
これは、後に塞ぎます。

最後に、坩堝の中や口周りを丁寧に掃除して、フタをします。

フタの周りには、温度UPの際に“冷え”があまりでないように
ファイバーマットを巻きつけたら、これで完了!
あとは温度UPを待つばかり
この後、炉に点火して、ゆ~っくり時間をかけて温度を上げて
ようやくガラスを溶かすことができるようになるわけです。

1日でできるこの作業、簡単なように見えますが、結構難しいお仕事。

なんたって組み方が悪いと、ガラスは溶けにくいは、燃費は悪いは、
あげくには坩堝が割れるは…と悪いことづくめですからね、いつも真剣勝負
でやってます。

さあ、これで本格的ガラスシーズンを乗り越えられるぞ~!
あとは、僕が暑さを乗り切れるかどうかが心配だけど・・・。

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コメント:2個

  1. ご苦労様でした。

    すごい!!
    知らないとこでこんな事もしてるんですね~
    しかも“猫堝”。私も“豚堝”がぴったりの気がします。。。

    先生方のこうした苦労のおかげで私達生徒は気持ちよく吹き場でガラスを作っていけるのですね!!
    この時期。休みに入るので先生方のこうした努力を知りませんでした><

    まだまだ勉強不足でこうした事もっと知っていきたいので(工房は建てれませんが。。。)今度作業する時は呼んでください(笑)
    是非お手伝いしたいものです(きっと邪魔になりますけどねニヤ(・∀・)ニヤ )
    よこでそっとお茶係していますo(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)oワクワク

    授業は来週!本格的なガラスシーズン楽しみにしています!!!
    今から今度作るものを決めておきますのでまたまた宜しくお願いしまぁす♪

    ただ。。。私もこの夏、乗り越えられるかな((ヾ(∀´* ) アヒャヒャヒャヒャ

  2. momonga-loveさん、いつもありがとうございます。
    そうなんですよ~、実は吹き場の中の炉のほとんどは、何らかの形で
    しょっちゅう手を入れてやらなきゃならないんですよ~。

    うちの築炉は年4回。次は8月末です。良かったら手伝ってみます?

    炉の温度は、今日、所定の温度まで到達して、ガラスを溶かしはじめました。
    木曜日から、また講座ですね。
    また、授業のときにお会いしましょう。

    しばらく休んでるうちに、吹き場はもう真夏並みに暑いですよ~。
    覚悟して来てくださいね~。

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